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カテゴリ:宗像三女神・イチキシマ・タギリ( 1 )

宗像三女神

タキリ姫・イチキシマ姫・タキツ姫


泣いてばかりいたスサノオの命はついに父神のイザナギの命
「もうこの国に住むな。」と言われて追放されてしまいました。

そこで、スサノオの命は
「それならば姉のアマテラス大御神に事情を話してから出て行きましょう。」
と言って、天に昇る時、山川がことごとく鳴り響き、国土がみな揺れました。

アマテラス大御神は弟がやって来ると聞いて驚いて言いました。
「私の弟の命が昇って来るのは、きっと善良な心からではあるまい。
私の国を奪おうとしているにちがいない。」

そう言うと、結っていた髪をほどいて、男の髪型のみずらに結って、
左右のみずらにも、それを留める髪飾りにも、また左右の手にも、
それぞれに八尺(やさか)の勾玉のたくさん連ねた珠を巻き付けて、
背中には千本入る靫(ゆぎ…矢入れ)を背負い、脇にも五百本入る靫をつけて、

また、手首にはイツの竹鞆(たかとも…音の鳴る手首ガード)をつけて、
弓を振り立てて、地面を股まで、めりこむように踏みならして、
土を淡雪のように蹴ちらして、勇ましい雄たけびをあげて待ち構えました。

アマテラス大御神は
「どうして、天に昇って来たのだ。」と尋ねました。

スサノオの命は
「わたしめは悪い考えは持っていません。
ただ、イザナギの大御神が私に泣きわめいている訳をお尋ねになりました。
そこで、『わたしめは亡き母の国に行きたいと思って泣いているのです。』
と答えました。
すると、大御神は『そなたはこの国に住んではならない。』と言われて、
私を追放されました。
だから、事情をお話しておこうと思って参上しました。
他意はありません。」と申し上げました。

すると、アマテラス大御神は
「それなら、そなたの心が清く正しいのがどうして分かる。」と言いました。
そこでスサノオの命は答えて、
「それぞれウケイ(うらない)をして子を生みましょう。」と言いました。

そこで、天の安の河(天の川)を中に置いて、ウケイをする時に、
アマテラス大御神が先に
スサノオの命の佩(は)いた十拳剣(とつかつるぎ)を貰い受けて、
三段に折ってユラユラと揺らして、天の真名井の水で振りすすいで、
噛みに噛んで、フッと吹き捨てた時、

息吹きの霧に生まれた神の名は、タキリビメの命
またの名は奥津島(おきつしま)ヒメの命と言います。
次に、イチキシマヒメの命。またの名はサヨリビメの命と言います。
次にタキツヒメの命。三柱です。

続けて、スサノオの命はアマテラス大御神の左のみずらに巻いている
八尺(やさか)の勾玉のたくさん連なった珠をもらって、
ユラユラと揺らして、天の真名井の水で振りすすいで、噛みに噛んで、
フッと吹き捨てた時、息吹きの霧に生まれた神の名は、
マサカツアカツカチハヤヒ天の忍穂耳の命

また、右のみずらに巻いている珠をもらって、噛みに噛んで、
フッと吹き捨てた時、息吹きの霧に生まれた神の名は天のホヒノ命
また、髪飾りに巻き付けていた珠をもらって、噛みに噛んで、
フッと吹き捨てた時、息吹きの霧で生まれた神の名は天津ヒコネの命

又、左の手に巻いていた珠をもらって、噛みに噛んで、フッと吹き捨てた時、
息吹きの霧に生まれた神の名はイクツヒコネの神
また右手に巻いていた珠をもらって、噛みに噛んで、フッと吹き捨てた時、
息吹きの霧に生まれた神の名は、熊野クスビの命
合せて五柱でした。

そこで、アマテラス大御神がスサノオの命に言いました。
「後の方で生まれた五柱の男子は、私の物から生まれたので、私の子だ。
先に生まれた三柱の女子は、そなたの物から生まれたので、そなたの子だ。」
と。

こうして、最初に生まれた神、タキリビメの命は宗像の奥津宮にまします。
次にイチキシマヒメの命は宗像の中津宮にまします。
次にタキツヒメの命は宗像の辺津宮にまします。

この三柱の神は宗像の君らが斎きまつる三柱の大神です。

こうして、スサノオの命がアマテラス大御神に言いました。
「私の心は清く、正しかった。
だから、私の生んだ子は手弱女(たおやめ)でした。
ウケイの結果から言うと、私の勝ちですね。」と言いました。

宗像の奥津宮にます神、タキリ姫の命大国主の命と結婚して、
生まれた子はアヂスキタカヒコネの神
次にイモタカヒメの神、亦の名はシタテル姫の命。
このアヂスキタカヒコネの神は今、カモの大御神といいます。
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