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高御産巣日神 (高木の神) (Ⅰ)

たかみむすひのかみ



 別天神(ことあまつかみ)五柱の出現

天と地が初めて開けた時、
高天の原(たかまのはら)に出現した神の名は
天の御中主(あめのみなかぬし)の神。

次に高御産巣日神(たかみむすひのかみ)。
次に神産巣日神(かみむすひのかみ)。
この三柱の神はみな独神(ひとりがみ)となって身を隠されました。

次に国土が出来たばかりで、浮いた油のようで、
クラゲのように漂っている時に、
葦の芽が牙のように大地を突き破って芽生えるように、
出現した神の名はウマシアシカビヒコヂの神。

次に、天の常立の神(あめのとこたち)の神。
この二柱の神もまた、独神(ひとりがみ)として、身を隠されました。

以上の五柱の神は特別な天(あま)つ神です。



豊葦原の国を手に入れるための相談 (高天原にて) 

天照大御神は、
「豊葦原(とよあしはら)の千秋(ちあき)の
長五百秋(ながいおあき)の水穂(みずほ)の国は
私の御子の正勝吾勝勝速日天忍穂耳命
(まさかつあかつかつはやひあめのおしほみみ)が治める国である。」
と命じて言われ、
その天忍穂耳命が天下りされました。

天忍穂耳命は天の浮橋にお立ちになったのですが、
「豊葦原の千秋の長五百秋の水穂の国はひどく騒いでいるなあ。」
と言って、戻って来て天照大神にその事を申し上げました。

そこで、高御産巣日神と天照大神は命じて、
天の安河の河原に八百万の神を集めて、
思金(おもいかね)の神に考えさせて、言われました。

「この葦原の中つ国は私の御子が治める国で、
私が委ねて与えた国である。
しかし、この国にはすばしこい荒ぶる国つ神どもが大勢いると思われる。
そこで、どの神かを使わして、帰順させてほしい。」と。

思金神や八百万の神が協議して言いました。
「天の菩比(あめのほひ)の神を遣わすのがよろしいでしょう。」と。

そこで天の菩比の神を遣わすと、
そのまま大国主の神に媚(こ)びて従って、
三年たっても戻って来ませんでした。

そこで高御産巣日神と天照大御神は多くの神々に尋ねられました。
「葦原の中つ国に遣わした天の菩比の神はずっと帰って来ない。
今度はどの神を遣わせばよいだろうか。」

そこで思金神が
「天津国玉の神の子、天の若日子(わかひこ)を
遣わすのがよいでしょう。」
と申し上げました。
これによって、天のマカコ弓、天のハハ矢を
天の若日子に授けて遣わしました。

天の若日子はその国に天下りすると、
すぐに大国主の神の娘の下照比賣(したてるひめ)を娶(めと)り、
またその国を自分の国にしようと思うようになって、
八年たっても戻って来ませんでした。

そこで天照大御神と高御産巣日神が他の神々に尋ねました。
「天の若日子はずいぶん経つのに戻って来ない。
また、誰か他の神を遣わして、
天の若日子が久しく留まる訳をたずねよう。」

そこで、諸神と思金神が
「雉(きじ)で、名前が鳴女(なきめ)という者を遣わしましょう。」
とお答え申し上げたので、鳴女に言われました。
「おまえが行って、天の若日子にこう尋ねよ。
『そなたを葦原の中つ国に使わしたのは、
その国の荒ぶる神どもを説得して帰順させよと言う事だった。
どうして、八年も経つのにまだ帰って来ないのか。』と。」

そこで鳴女は天下りして、天の若日子の家の門にある
湯津楓(ゆつかつら)の木に止まり、
天つ神の言われた通りに言いました。

すると、天の佐具賣(さぐめ)がこの鳥の言う事を聞いて、
天の若日子に言いました。
「この鳥は鳴き声がとても不吉です。射殺すべし。」
と進言すると、すぐに天の若日子は
天つ神が授けた天のハジ弓、天のカク矢を持って来て、
その雉を射殺しました。

すると、その矢は雉の胸を射通し、突き抜けて、
さかさまに高天原に射上げられて、
天の安河の河原にいる天照大御神と高木神の元に戻って来ました。

この高木神高御産巣日神の別の名です。

高木神がその矢を取って見ると、
血がその矢の羽についていました。
そこで、高木神は
「この矢は天の若日子に授けた矢だ。」
と言って、諸神に見せて言われました。

「もし、天の若日子が我々の命令に忠実で、
悪い神を射た矢が戻って来たのなら、
天の若日子には当たるな。
もし、反逆の心が有るなら、
天の若日子に当たって禍(わざわい)せよ。」
と言って、その矢を取って、
その矢が開けた中つ国との境の穴から、突き返すと、
天の若日子が朝、寝床に寝ている時、
その胸に当たって死んでしましました。
(これが還り矢の語源です。)

またその雉も戻って来ませんでした。
コトワザに「雉の頓使(ひたつかい)」(雉の行ったきり)
という謂われはここから来ています。



別天神

宇宙が混沌としていた時に、
出現した五柱の特別な神たち。
別天神(ことあまつかみ)と言います。

その中の二番目の神が高御産巣日神です。
別名、高木の神というのが文中に書いてありました。

ここで注目したいのは、
高木の神が常に天照大御神と一緒に
いるという事です。

高木の神には子供が二人いる
高木の神には思金神(おもいかねのかみ)という御子がいました。
諸神の中でいろいろとアイデアを出しています。
思金神は天照大御神が天の岩屋戸に籠もられた時に、
八百万の神が相談した折にも、アイデアを出した神です。
ここでも、具体的な案を次々に出しています。


高木の神にはもう一人子供がいます。
萬幡豊秋津師比賣の命(よろずはたとよあきつしひめ)です。
この姫と天忍穂耳が結婚して、
天の火明命(ほあかりのみこと)(ニギハヤヒ)と
ニニギノ命が生まれました。

天忍穂耳はニニギノ命が生まれたので、
天下りをニニギノ命に譲っています。

「独神」の訳について

高木神は独神と書かれていますが、
その訳が難しいのですが、
子供がいるので、
通説のとおりに、独身と訳すのは無理だという事が分かりました。
そのまま「ひとりがみ」としておきます。


弓矢の名が違う?

授けられた弓矢と使った弓矢の名前が違います。
古事記を書いた人が、
いくつかの話を合成して書いたので、
統一しそこなったのでしょうか…。


高木の神は以上の二か所と、もう二か所に出て来ます。
次回はこのつづきです。


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