大国主神(10)国譲り

                                   【古事記】   

大国主神(10)

国譲り

建御雷の神はまた戻って来て、大国主神に言いました。
「あなたの子供たち、事代主の神と建御名方の神は二人とも、天つ御子の命令に従うと申した。あなたの考えはいかがか?」と。

大国主の神は
「私の子供たちの言葉と同じです。この葦原の中つ国は命ぜられた通りに献上します。ただ、私めが住む所として、ちょうど天つ神の御子がその継承者である事を知らしめて照り輝く宮殿のように、地底深く宮柱を太く突き刺し、高天原に氷木(ひぎ)が届くような高い宮殿を建てて下されば、私めは曲がりくねった道の果てに隠れて控えていましょう。

また私の子供たち、180の神々は八重事代主の神がその先頭に立ち、しんがりとなって統率するので、意に背くような事はありません。」
と言いました。
こうして、出雲の国のタギシの小浜に天の宮殿を建てました。

水戸(みなと)の神の孫、櫛八玉(くしやたま)の神が料理人となって天のお食事を献上する時に、言寿ぎ(ことほぎ)をして、鵜(う)に姿を変えて、海の底に潜り、底の赤土をくわえて来て、土器の皿を作り、海藻の茎を刈り取って、火を起こす板に見立て、茎の細い海藻の茎で錐もみの棒に見立てて、火を起こして、歌を歌いました。

 この私の切り出した火は 高天原では
 神産巣日の御祖の命の 照り輝く新居のススが
 長く垂れさがるまで 焚きあげることでしょう。
 土の下では 底の岩に届くまで 焼き締めることでしょう。

 長いタク縄が 海の中まで伸びて 釣りをする海人(あま)が 
 口が大きくて尾やヒレがピンと立ったスズキを ピチピチと引き上げると 
 その調理の火となり、笹竹で作った簀(す)がたわむほど
 沢山魚の料理を奉る事でしょう。

こうして建御雷の神は天に参上して、葦原の中つ国を平定した事を奏上しました。
天照大御神と高木の神天の忍穂耳の命に言いました。
「今葦原の中つ国の平定が完了したと報告がありました。だから、以前そなたに言ったように、天下りして治めなさい。」と。                  
                
                                    以上です。

天の忍穂耳がこの先も天下りしなかった事情は「天の忍穂耳の命」で見て下さいね。



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